カテゴリ「日常」の記事一覧

自然釉マイブームに乗って、コーヒーを湯飲みで飲むことは是か非か ― 生成AI先生の回答から

私の遅まきながらの『スカーレット』(NHK)から始まる自然釉ブーム。ちょっとこのマイブームを生成AI先生に相談して深掘りしてみた。 ●自然釉の湯飲みで、コーヒーを飲むことはありうるか? ●生成AI先生 ありうる。しかも、わりと本質的にありうる。 まず事実として 高級な湯飲み(たとえば楽焼・唐津・李朝系など)でコーヒーを飲む人は実際にいる。茶人・陶芸家・美術館関係者にも珍しくない。 ただし、この問いは単なる「可否」ではなく、たぶんこういう緊張を含んでいる: 湯飲み=日本的/茶の器 コーヒー=西洋的/近代的 ...

NHK朝ドラ『スカーレット』(2019)を今頃見ながら、〈昭和〉と高市政権とリベラリズムを考える(解説Podcast付き)

NHK朝ドラ「スカーレット」(2019)の主人公・川原喜美子(戸田恵梨香)は、昭和12年生まれ。私より17歳年上。 このドラマ、昭和の時代を辿る意味で、貴重な風物誌が展開するが、私の父親は昭和元年生まれ。敗戦時にはちょうど多感な青年だった。 戦争教育を受けて、占領軍の自由と平和の日本国憲法(歴史的には非軍事化の日本弱体化政策)という変遷を多感期に生きた父親は、一体その〈変化〉をどう思っていたのだろう。 父8歳で日本は国際連盟脱退。11歳で二・二六事件。15歳で大政翼賛会誕生。16歳で太平洋戦争開戦。父は、赤紙で召集されたが、出征の手前で終戦を迎え、戦争体験はない。 吉本隆明は大正13年生まれ。父の二つ上。要するに軍国青年という点では吉本と父は同じ時代を生きて、軍国教育と〝平和〟教育との矛盾を体験した世代。 なぜ、私は吉本の〈転向〉論には関心を強く寄せたのに、傍にいる父親に、その矛盾の襞を聞...

生成AI先生から情報を得ることとテクストを読むことと。

生成AI先生は、あらゆることをまとめる〝能力〟についてはとても長けているが、テキストを1行1行読み込んでいくプロセスの中での、著者の心の〝彩〟みたいなものが見える個所がいくつか見つかる読書の体験を再現することはできない。...

2026年、元旦。あけましておめでとうございます ― 不在の死と死の不在と。

若い人が将来どんな人物になるのかということには、こころを砕いてきたが、その人物が生きている時間を共有できないというのが、自分が死ぬということだなというのをやっといまわかるようになった。...

選択的夫婦別姓問題について ― 貧相な個人主義のなれの果て(Spotifyポッドキャスト解説付き)

夫婦別姓を、〈家庭〉より〈個人〉という思想で持って主張する人は、何を考えているのだろう。 たぶんそれは、性愛の否定でしかない。性愛の本質は〈子供〉を疎外化するというのは、ルソー的な自然主義やロマン派(ゲーテやノヴァーリス)の「内なる心」論に反して、ヘーゲルの考えたことだが(『精神現象学』、『法哲学』など)、その疎外の意味は、二人で一つという性愛の本質(子供)を言い当てている。 ...

今頃『海のはじまり』(2024)をみた ― 誰ひとり寂しくはなく、誰もが寂しい愛の物語。

この作品『海のはじまり』(2024)は、7歳の娘「海(うみ)」のはじまりが、それぞれの登場人物の中で、すこしずつずれて始まるということ、その複数の時間のずれたはじまりが共鳴し合ってドラマは進行していく。そして、登場人物のすべてが、それぞれのずれあう「はじまり」を有しているということだ。 ...

『ゆきてかへらぬ』(監督 根岸吉太郎)を観た ― 中原中也の愛した女

『ゆきてかへらぬ』(2025)を観た。監督 根岸吉太郎、脚本 田中陽造。 中原中也と長谷川泰子と小林秀雄が踊るさまだけでもみていてどきどきする。 中原中也の木戸大聖は全然ありだが、小林秀雄の岡田将生はちょっと違うと思う(ただし、煙草の吸い方は似ていた)。広瀬すずは熱演していたが、さすがに長谷川泰子を演じるのは無理。 しかし、小林秀雄に向かって「私の背中曲がっていない? …支え棒なしに歩いているから、かな」と、中原中也の焼却場の煙を背にして語る、広瀬すずのセリフはぞっとするほどの迫力だった。 小林秀雄もこんな女を前にすれば奈良(志賀直哉のところ)へ逃げるだろう。『本居宣長』を書けたのは長谷川泰子のおかげかも。...

英語で論文を書く、英語で授業を行うという貧困について

東大の授業の英語化(東大大学院工学系研究科)が議論されているが、昔、柄谷行人が(日本語で思考することの不利がらみで)英語で書き始めたとき、吉本隆明が、ほんとに国際的な水準を有しているのなら、誰かがその論考を何語にでも訳してくれるさ、と揶揄していた。たしかに、フーコーと吉本隆明との画期的な対談を通訳していたのは、後に東大の総長にまで上り上がる蓮實重彦だった。...

素数とパスワードと自己意識と。

結局、素数が因数を寄せ付けないとすれば、そしてそれが、デジタル社会の今日でのパスワードが存在しうる根拠になっているのだが、そしてパスワードとは、人間の〈私〉の唯一性の数学的な根拠であるとすれば、人工知能が〈人間〉になるかどうかは、素数の〈関係 function〉を見いだせるかどうかに関わっている。...

昨年8月70歳になって、70歳のお正月を超えて ― 命短し恋せよ乙女

70歳にもなると、80歳以上までも生きている人を、ただただそれだけで尊敬したくなるのだけど、最近は、若い人たちへの配慮(敬意)も考えるようになった。 というのもこの人たちは、われわれ年長ならではの、キャリアの仕出かした諸々のミスを背負って、未来へ向けて修正していかなくてはならない人たちなのだから。...

テレ朝からAmazonに引き抜かれて2年、その第一作目(『ゴールデンコンビ』)が10月31日配信開始されました。ver.3.0

息子の記述によれば「私が大学卒業後の2008年から2022年まで14年間務めたテレビ朝日を退職し、2023年からAmazon MGM Studiosに転職して、ようやくたどり着いた”Amazon1作目”の企画・演出作品」が、この『THEゴールデンコンビ』。 私も、映画並かそれ以上の制作費・製作時間をかけての、責任の重い第一作というので、今年5月18日の収録の現場(関係者席で)に参加していた。収録は朝9:00~夜22:00までの長丁場だった(収録スタジオはフジテレビ湾岸スタジオ)。 私は、昼から2,3時間見て帰ろうと思っていたが、思った以上に面白かったので、最後まで食事もせずに見終えてしまった。なにより会場200人の観客と演者・スタッフとの一体感が私をそこまで導いたのだと思う。それに吉岡里帆を生で間近で長時間見られるという邪悪な動機があったかも。 そして、それから5ヶ月の編集期間と広告宣伝期...

昨夜は、20年前の作品『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)全11話を一晩で全話見た。

昨夜は、20年前の作品『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004)全11話を一晩で全話見た。主人公の悲劇的な死をからませればなんでもこれぐらいの作品にはなるよ、と思いながら見続けてしまった。お盆の時節にも適していた。 ついでに言えば、綾瀬はるかの眉毛がヤンキーのように細くしすぎとずっと思いながら。ついでに言えば、三浦友和は息子(三浦貴大)の演技より大根になっていて、蓮舫のあざとい表情と逆で顔の表現が全くできない人になっていたので残念だった(そんなに下手な役者ではないのだが)。さらについでに言えば、松下由樹が脚本に生かされて時として痩せて見えた。やはり役者は脚本あっての役者。 今から半世紀以上前の『太陽にほえろ』というTVドラマを思い出す。あれは、いつも無名の役者が主人公になって一話完結のドラマになっていたが、脚本がとてもよくできていて、その無名の役者の実力をうまく引き出していた。よくとれば、色...

結婚おめでとうございます、大谷選手 ― 彼のお相手が彼に〝似ている〟ということについて

大谷選手の結婚相手が大谷の顔に似ていると言われているが、それは、ある意味当たり前で、たぶん、大谷のお母さまの若い時代の顔に彼女が似ていたからに違いない。 こういうカップルは大谷選手にかかわらず長続きする(と、私は彼の結婚を勝手に楽観視しているが)。似ても似つかぬ顔の場合は、男性の方に、女性の顔の原型について像が存在していないため、女性と同じような異性彷徨が生じやすい。そんな男に〝引っかかる〟と女性は大変だ。...

披露宴・新郎の謝辞(ウエルカムスピーチ&謝辞)

新郎:ウェルカムスピーチ 本日は、私たち2人のためにお集まりいただき、ありがとうございます。先ほど無事挙式を執り行い、夫婦としての歩みを始めることができました。 今日に向けて、今ここにいらっしゃる全ての皆様が楽しんでいただけるような披露宴にすべく二人で何度も話し合い準備してきました。久しぶりに台本も本気で書きました。 テレ朝の同期と後輩にゴールデン並みの労力でロケと編集もしてもらいました。 皆様の存在なくして、私たち二人は今、ここにはいません。そんな感謝の気持ちを詰め込みましたので、楽しんで頂けると幸いです。 新郎:謝辞 本日は、私たち2人のためにお集まりいただき、ありがとうございました。 改めてこの披露宴を通して、父母のもとに生まれたこと、ここにいる皆様と出会えたこと、そして彼女に出会えたことに幸せを感じています。 私は人生において、大切にしていることがあります。それは、この会場の「...

【増補版】一生に一度の披露宴謝辞(親族を代表して)

●最後にして最初の披露宴謝辞 ※当日は流れに身を任せて、と思って話す内容をまとめて原稿にすることはなく、記憶をさぐって一週間かけて自己文字起こししました) 「それでは両家を代表して、新郎のお父様、アシダヒロナオさまより御挨拶でございます」(司会・久富慶子)。 ---------------------------------------- 今日のこの披露宴、最初のつかみの演出がよかっただけで、あとは何というかありがちな演出で、なんだかなぁと(会場・笑)。 先ほどの新婦の、ご両親への言葉も長すぎてつまらないし(新婦から「ひどーい」の悲鳴、吉村崇さんから「言い過ぎだろー」会場・大笑)。...

感染阻止か、経済か、それともそれらの「バランス」か、そんなことはどうでもいい。

感染阻止か、経済か、それともそれらの「バランス」か、それとも経済支援かではなくて、そんなことはどうでもよくて、軽症者の臨時隔離施設を確保すればいいだけのこと。 そもそも医療経営が破綻していることの方が街場の飲食店が倒産することよりもはるかに深刻なことだ。前者の経営を確保することなしに後者が立ち直る可能性はないのだから。...

DSF11MHz音楽ファイルの再生は、音の風が吹く ― 「ハイレゾ」ファイルは無駄使い

朝からお仕事前のDSFファイル11.289MHzの音を聴いてかっと目を開く。この世のものとは思えない音が出て、演奏会場の空気感がスピーカーの背後に一気に広がる。 11MHzのDSFファイル再生だと音を聴くというより、音が空気を連れてきて、一音、一音が肉体をもつかのようだ。音が空間を作りあげている。 「ハイレゾ」(FLACファイルやWAVファイルのリニアPCM「ハイレゾ」)とは全く違う音だと思う。 ※私は、DSDマーカーレス再生する場合、DELA(HA-N1AH20/2)から、AccuphaseDP-750(お金がないのでAccuphase社からただいまお借りしているSACDプレイヤーですが)のUSB-DACに繋いで再生している。USB-DACを通じて再生する場合、マーカーレス再生は結構再生機同士の相性があるので接続確認はした方がよいとのことです。このDP-750の表示窓にある「11289」...

SACDプレイヤーとSACDに、今頃目覚めて

最近の「ハイレゾ」音楽の流行に乗って、「ハイレゾ」ファイルの数々をネット購入しはじめ(mp3からWAV、WAVからFLACへと)、数あるハイレゾファイルの中でも、特にはDSD(DSF、DFF)ファイルの音の良さに取り付かれて、「もはやCDの時代ではない」と思っていたら、DSD(Direct Stream Digital)記録こそ、いまから、20年前に登場した「SACD(Super Audio CD)」ではないか、とお恥ずかしながら今頃気づいて。 ※「SACD(Super Audio CD)」とは、→ http://ow.ly/QNyo30nsUKm ※写真は今頃買い直し始めたSACD。 そうこうするうちに、今頃SACDプレイヤーを(初めて)買って、そして今頃SACDを買いあさって、たとえば、私の生まれた1954年モノラル録音のフルトベングラーによるブラームス交響曲第三番をシングルレイヤーS...

顧客対応とは何か ― 不安の源泉は時間である。

お役様相談センターなどで散々待ったあげくやっとつながって(「大変お待たせ致しました」との謝罪で始まるのだが)、相談しているとやはりそこでは処理できずに話の途中で「少々、お待ちください」と言われることがよくある。 もうこうなったら何時間でも待ちますが、「少々」と言われても1分なのか10分なのか100分なのかこちらでは全く分からない。100分と前もって分かるのなら、全然待てますが。 対応担当者としては、「たぶん(これまでの経験では)2,3分で終わるだろうと。ほんとにすぐ終わるだろうから、だから『少々』と答えました」と言うつもりだろうが、そう言われた相手は、その「つもり」は全く読めない。 時間はいつも前から流れる。後ろは見えない。前にあるものは、「少々」という言葉しかない。5分待つのも、100分待つのも同じ。5分で終わるか100分で終わるか結果=終わりが分からない、前から進む時間にさらされた人に...