2018年3月30日 09:52
社会・政治・思想
,著作・論文・講演関連
●Twitterとは何か(1) ― 電話からTwitterへ、あるいはポストGoogleの課題 Twitterの特長は、同期性だ。ブログやSNS、掲示板やチャットとどこが違うのか、とよく話題にされるが、Twitterは携帯電話の延長にあると考えて良い。 電話はもともとが同期メディアだった。「同期」というのは、発信者と受け手とが同時に存在しているということだ。話し手、聞き手が同時に〈そこ〉にいるという実在性が電話コミュニケーションの基盤をなしている。 ところが、電話の特長であるこの同期性が薄れてきた。留守録機能と着信通知機能(あるいは着信非通知)が電話の同期性を殺いでいる。おまけに持ち運びが手軽にできる携帯電話は同期という時間性だけではなく、場所の制約も相対化してしまった。 電話の同期性は留守録機能と着信通知機能によって意識的な選択の対象になり、自然な時間性(あるいは場所性)を回避するように...
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2018年3月29日 23:24
IT・AI社会論
,哲学・形而上学
●iPad現象と電子書籍の現在 古典と呼びうる芥川賞的な「純」文学と直木賞的な「大衆」文学とは何が異なるのか? 両者に截然とした差異があるわけではないだろうし、サブカルチャーの水準は従来よりははるかに高度化しているが故にますますその差異を見極めることは難しいだろう。しかしにもかかわらずその差異は相対的には存在している。...
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先日、私のTwitterのフォロワーから、日経BPnetに2010年から連載していた「ストック情報武装化論」(第一回~第九回)が読めなくなっていると聞いて、ブログに掲載することにしました。 なお、この「ストック情報武装化論」は、書き切れなかった最終回も含め再編集して(大幅な加筆修正を施して)、近々出版されます。最初の回は「オンライン自己」について。当時、結構反響を頂きました。出版の原稿は、この四倍の分量になっており既に出来上がっていますが、とりあえずはこの短編で我慢してください。 ------------------------- 91年の大学大綱化から早くも30年近く経った。「大綱化」の基本はカリキュラムの自由化。総単位数124単位以上取れば卒業できるようになった。従来存在した分野別の必修単位科目は設置基準上はなくなり、大学は自由にカリキュラムを組めるようになった。...
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2018年2月24日 23:43
商品批評
,日常
そして、今日は、例の9999のメガネができたとの報告を受け、丸の内に取りに行ってきたら、店内(伊勢丹サローネ)の、このコート(服地はコットン100%、スウェーデン製)に一気に目を奪われ...。...
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2017年1月13日 18:11
哲学・形而上学
,社会・政治・思想
,自己ベスト
●「転向」について (芦田宏直) 私は、吉本さんと個人的に対面したことは一度もない。私の家内が学生時代(今から四〇年ほども前)、吉本さんを神田の古書街で見付け、彼がどんな本を買おうとしているのか知りたくて追い回したことがある。 吉本さんは、いくつか書店を出入りする内に家内の尾行に気づき、早足になり、最後にはしつこい家内を追い払おうとパチンコ屋に飛び込んだらしい。家内もそれにめげず初体験のパチンコ屋に潜入し、裏口から出る吉本さんを追尾し続けた。...
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2017年1月 1日 10:57
日常
,私の恩師
一昨年の引っ越し=全額住宅ローンのマンション購入の大事(還暦越えの二〇年ローンの大事)に次いで、昨年はもっと印象に残る大事が年末に起こりました。 現在刊行されつつある吉本隆明全集(晶文社刊全38巻)第3巻「月報」の原稿依頼があったのです(発刊日は昨年の12月30日)。※http://www.yoshimototakaaki.com/ ...
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60歳もすぎて子供にも手がかからなくなり、仕事も徐々に減ってくると、人生の集大成のように家を建て替える人がいるが、自分が歳を取ると自宅内なのに2階にさえ上がれなくなるし、ちょっとした段差にも躓き始めるというのを忘れている人がいる。 要するに、子供に手がかからない分、自分自身に手がかかり始めるのだ。子供は成長して自立するが、自分はどんどん手がかかり始める。死ぬことさえ自分でできない状態に陥る。 超遅い自宅用エレベータは2階へあがるのがもっと面倒。2階へ上がる気それ自体を殺いでしまう。そもそも超高層マンションの最大の屈辱は、自宅に着いているのにエレベータを待つことなのだから。超高層の最大の恩恵は低層階の人があの一階共有エントランスや共有スペースの豪華な環境を自室から歩ける距離で満喫できることにある。私なら人工林にしても植栽で目隠しになる部屋を選びに選んで超高層の2階に住む(笑)。...
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●今回の入試改革の趣旨と変遷 大学入試改革は、3年間にわたって三つの報告にまとめられて提案されています。一つは、一昨年の教育再生実行会議(安倍政権の私的諮問機関)第四次提言(二〇一三年十月三十一日) ― 以下「提言」と略す。二つ目が「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」(二〇一四年一二月二二日中央教育審議会答申) ― 以下「一体改革答申」と略す。三つ目が今年三月の高大接続システム改革会議「最終報告」(二〇一六年三月三十一日) ― 以下「最終報告」と略す。 三年前の「提言」は、マスコミによって「人物評価主義の入試方式」とまとめられましたが、今回の「一体改革答申」(二〇一四年)と「最終報告」(二〇一六年)では、「人物評価」という言葉はすっかり消えて、そのキーワードは、二〇○七年教育再生会議の「教育三法の改正」による「学力の三...
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2016年5月14日 20:07
これからの大学
,これからの専門学校
【高度産業人材育成シンポジウム】 「実践的職業教育を担う新しい大学制度について」~公開パブリックコメント:高度な産業人材育成に何が求められるのか~ --------------------------------------------------------- 【開催概要】 日時:2016年5月19日(木)19:00~21:00 場所:富国生命ビル14階・第4セミナールームA :(東京都千代田区内幸町2-2-2) 最寄りの駅: 都営地下鉄三田線「内幸町」駅 A6出口 直結 JR山手線・京浜東北線・東海道本線「新橋」駅 日比谷口 徒歩6分 東京メトロ千代田線・日比谷線「霞ヶ関」駅 C4出口 徒歩3分 東京メトロ丸ノ内線「霞ヶ関」駅B2出口 徒歩5分 定員:200名(先着順) 参加費:無料 お申し込み・連絡先は、株式会社ベクトル 担当:川上、堀井 TEL:03-5572-7334 FA...
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2016年4月19日 00:41
これからの大学
,これからの専門学校
昨日締め切りの「社会・経済の変化に伴う人材需要に即応した質の高い専門職業人養成のための新たな高等教育機関の制度化について(審議経過報告)に関するパブリックコメント(意見公募手続)の実施について」 http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=185000825&Mode=0 、とりあえず最低限のことは書いて出しておきました。 ----------------- 今回の「社会・経済の変化に伴う人材需要に即応した質の高い専門職業人養成のための新たな高等教育機関」(以後、「新大学」と省略する)について、2点、疑問に思うところがあります。 一つには、この新大学の法制化については、学校教育法第83条「大学は、学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学芸を教授研究し、知的、道徳的及び応用的能力を展開さ...
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朝日新聞GLOBEの「入試とエリート」(3月6日)の中の私の記事「点数主義の方が多様だ」 http://globe.asahi.com/feature/article/2016030300006.html?page=4 、および日本経済新聞の「大学入試新テスト、記述式導入 有識者会議が最終報告」 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG24H49_V20C16A3EA2000/ についての「識者の味方」(3月25日)の私のコメントで話しきれなかった部分を以下で補っておきます。 -------------------------- 〈学力〉とか〈知力〉とか〈思考力〉というのは、それらの能力が〈現在〉と〈個人〉に集約されているために、短い時間の紙試験であっても、あるいは一回の紙試験であってもそこそこの選抜が可能になりますが、人物評価における〈人物〉というのは...
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●〈人物〉評価とは身分の評価でしかない 安倍政権の「教育再生実行会議」(座長:鎌田薫・早大総長)が、大学入試(センター入試)を〝人物重視〟に改める提言を10月末日(2014年)に発表しました。また昨日25日(2016年)は、その「教育再生実行会議」の議論の延長上で、大学入試改革を議論する文科省「有識者会議」(座長・安西祐一郞)の最終報告がなされました。後者の力点は「知識偏重」に対する記述式問題の導入という観点です。 こういった動きに関連して、私は、まずは朝日新聞朝刊社説面(オピニオン欄)で「脱・点数主義の罠」(2013年11月12日)として論じましたが、ここではさらにその論点を詳述してみたいと思います。 「人物本位」の大学入試に問題があるのは、〈人物〉評価というのが、生まれたときからの長い時間を経た、本人の意識や努力にとどまらない要素、つまり環境(ハビトゥス) ― 家族やその交友関係や地域...
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明けましておめでとうございます。 歳を取ると年月の流れが速くなると言いますが、それはたぶん何をするにしても「最後の…」ということを意識するようになるからでしょう。若いときには何度も失敗が許されたのかもしれませんが、さすがに“失敗”が許されない年になりました。溜(ため)の効かない年になったのかもしれません。そもそも歳を取るということはそれ自体が〈溜〉だからだ、ということでしょう。 若いときには無知が行動力の源でしたが、何に付けても即断できるストックのあることが大人への社会的な期待でもあります。ストックに基づいた即断をこそ〈分別〉と呼び、それは始まりにして終わりを見据えることとほとんど同義です。時の流れを終わりにおいてみる(向こう側からみる)、ということを〈分別〉と言うのかもしれません。 そしてたぶん、その本質は、終わりの時を待てることです。若いときほど待てないのです。〈待つ〉には〈溜〉が必要...
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2016年3月10日 22:07
IT・AI社会論
(…)ツイッターの微分機能は…携帯でもないし、電話でもないし、チャットでもない新しい次元を切り開いたわけです。 これは内面を現在で微分しているという意味ではすごく内面を強化しているけれども、タイムラインがどんどん内面を解体していきますから、携帯電話やメールのようなきつい感じにはなっていかない。飽きず疲れず時間を忘れるのがツイッターの本分で、僕なんか何回自分の駅を通りすぎたことか(笑)。もう着いちゃったみたいな。〈現在〉という時間はむしろ時間を無化するのです。 新幹線の大阪 ― 東京ぐらいだったら苦もなく時間を過ごせるというのがツイッターの面白さです。内面の現在を共有するということは、従来は少数の他者との関係を知ることであったにも関わらず、ツイッターでは多数の他者との現在を簡単に増大させることができる。 よくフォロワーを増やすのは大変だと言う人がいますけれども、フォローを増やせば、フォロワー...
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2015年1月11日 19:48
これからの大学
,これからの専門学校
大人になって〈自立する〉というのは、自分が使いたくないものにもお金を使うということを意味しています。われわれは〈光熱費〉にお金を使いたいなんて思いません。〈アパート代〉もできればなしで済ましたいと思っています。 しかし社会人になるということは、使いたくないものにも自分のお金をかけるということと同じです。そういうものを自分で担えるようになることを「大人になる」と言います。...
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「会えない時間が愛育てるのさ」と郷ひろみは言いました。歌のタイトルはまさに『よろしく哀愁』だったわけです。「哀愁」(OUTPUTのないINPUT)こそが〈育む〉ことの原理なのです。 まさに大学受験勉強などは、それゆえ、「哀愁」の勉強だったわけです。最近の若者は、「哀愁」に「よろしく」が付いている意味がわからない(中曽根臨教審から最近の教育再生実行会議までの教育思想の犠牲になっているとも言えますがhttp://www.ashida.info/blog/2014/07/post_429.html#more)。昨今のコミュニケーション論の対極にある言葉が「よろしく哀愁」です。 さて昨年12月29日の忘年会のこと。若い人のよくある勘違いに出会った。...
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今年(昨年)の紅白歌合戦は、特にこれといった特長のないものとなりました。吉高由里子さんの司会も、昨年の綾瀬はるかさんの司会に較べてそのぶっきらぼうさでは変わりが無いのですが、うまく回転していなかったように思います。 綾瀬はるかさんには、天然であってもひたむきな感じと紅白を天然として楽しんでいる風情が感じ取れましたが、吉髙さんの天然にそれはなかった。この差が、今年の紅白のすべてだったのかもしれません。あまりにも気が散逸して、股が開きすぎていた吉髙さんが気になった今年の紅白です。 今年は、10月末に引っ越しをした2ヶ月目での新居での紅白観戦でした。引っ越しをまったく手伝わなかった息子の太郎も、はじめての新居で迎える大晦日でした。家内の再発なしの記録も4年目を迎え、今年もリビングでの三人紅白観戦ができました。「もうこんなに疲れる紅白観戦はやめようよ」と家族から毎年不評ですが、2002年から続いて...
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2014年10月13日 02:02
これからの大学
,これからの専門学校
1. 少し時間が経ったが、この間、辻調の自己点検評価委員会に参加して、久しぶりに興奮する議論があった。 2. 実務の現場では、たとえば、卵一つにしても、学内実習のように新鮮な卵ばかりが使えるわけではない、様々な理由で鮮度の落ちた卵を使わざるを得ない場合もある。 3. そうすると、ある意味理想的な環境で学んできた学生の料理の技術がたちまち頓挫する場面も多々出てくる。 4. いつも、〝上級〟の食材で学ぶのではなく、〝中級〟〝下級〟の食材や環境で学ぶことが職業教育本来の実践的な教育ではないのか。...
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7月10日に、とある私立高校の女子3年生100人にレクチャーした際に使ったパワポを再掲します。「男子の収入に子育てを頼ることができない時代」(この講演での私の再三のフレーズ)の高校生女子のために作った資料です。 ...
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『教育と医学』http://www.keio-up.co.jp/np/kyouiku.do編集部(慶應義塾大学出版会「教育と医学」編集部)から、大学入試改革についての記事依頼があり、20枚ほどにまとめてみました(まだまだ書きたかったのですが)。『教育と医学』2014年7月号(733号)の「特集2・大学入試制度改革の動向と影響」に掲載されています。編集部のご協力、了解を得て、転載します。 大学入試改革(教育再生実行会議)の時代錯誤について ― 〈人物〉評価とは何か。...
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