あけましておめでとうございます ― 往き道と帰り道の年頃
一昨年の引っ越し=全額住宅ローンのマンション購入の大事(還暦越えの二〇年ローンの大事)に次いで、昨年はもっと印象に残る大事が年末に起こりました。 現在刊行されつつある吉本隆明全集(晶文社刊全38巻)第3巻「月報」の原稿依頼があったのです(発刊日は昨年の12月30日)。※http://www.yoshimototakaaki.com/ ...
一昨年の引っ越し=全額住宅ローンのマンション購入の大事(還暦越えの二〇年ローンの大事)に次いで、昨年はもっと印象に残る大事が年末に起こりました。 現在刊行されつつある吉本隆明全集(晶文社刊全38巻)第3巻「月報」の原稿依頼があったのです(発刊日は昨年の12月30日)。※http://www.yoshimototakaaki.com/ ...
●追悼のための銘辞 ぼくの孤独はほとんど極限に耐えられる ぼくの肉体はほとんど苛酷に耐えられる ぼくがたふれたらひとつの直接性がたふれる もたれあふことをきらつた反抗がたふれる ぼくがたふれたら同胞はぼくの屍体を 湿つた忍従の穴へ埋めるにきまつてゐる ぼくがたふれたら収奪者は勢ひをもりかへす だから ちひさなやさしい群よ みんなのひとつひとつの貌よ さやうなら ― 「ちひさな群れへの挨拶」(1952年)より ぼくが真実を口にすると ほとんど全世界を凍らせるだらうといふ妄想によつて ぼくは廃人であるさうだ おうこの夕ぐれ時の街の風景は 無数の休暇でたてこんでゐる 街は喧曝と無関心によつてぼくの友である 苦悩の広場はぼくがひとりで地ならしをして ちようどぼくがはいるにふさはしいビルデイングを建てよう 大工と大工の子の神話はいらない 不毛の国の花々 ぼくの愛した女たち お訣れだ ― 「廃人...
吉本のTV放映があったのが、1月4日日曜日の夜10:00。私はその時、ちょうど7日に行われる静岡の専門学校の教員研修会の講師に招かれていて、その準備の真っ最中だった。...
※これは先に書いた吉本のETV特集出演に関する記事(http://www.ashida.info/blog/2009/01/post_318.html#more)の第2版です。倍以上に書き足しました。吉本については死ぬまで書くことはないだろうと思っていましたが、あの熱気ある語りが私の頭から寝ても覚めても離れず、ついつい書き足したくなっていきました。第三版、第四版と続きそうな気もしますが、今日はこれで。...
早稲田のハイデガー研究者:川原栄峰先生(早稲田大学名誉教授)が23日亡くなった(http://www.asahi.com/obituaries/update/0123/005.html)。85才だと言う。私が高校3年の時になくなった父と川原先生とはほぼ同い年だった。...
評論家風に言えば、私は、アルジェリア生まれのユダヤ人デリダは知性化されたレヴィナス http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%82%B9 だと(今となっては)思っている。...
デリダ思想の原型をなす言語=記号論は以下のようなものです。 たとえば、〈言葉〉、あるいは〈記号〉というものは、それでもって〈意味されるもの(シニフィエ:所記)〉と「それでもって」の「それ」にあたる〈意味するもの(シニフィアン:能記)〉とに分かれます。〈犬〉という言葉自体はほえたりはしない。赤信号の赤そのものは、止まったり、歩いたりはしない。この場合のほえない〈犬〉、止まらない〈赤〉を〈意味するもの(シニフィアン:能記)〉といい、ほえる犬や止まれという命令を〈意味されるもの(シニフィエ:所記)〉と言います(そんなに簡単な話ではないのですが、デリダさえも時々こんな説明の仕方をするので私もここではそうしておきます)。とすると、能記と所記との間には、直接の関係がない。ほえる犬そのものを〈猫〉と呼んでもかまわないし、「止まれ」は別に〈緑(青)〉でもよかった。「ほえる犬」を「犬」と呼んだり、「止まれ」...
当時はまだ日本の誰も注目していなかったデリダを『声と現象』の本邦初訳(1970年:原書は1967年刊)以来追跡してきた高橋允昭(のぶあき)先生にとって、70年代後半〜80年代全体を支配する世界的なデリダ“ブーム”の中でデリダが初来日した1983年は、先生の仕事全体にとっても頂点とも言える時期だった。「これがあのデリダの紹介者の高橋允昭か」と私は彼の初講義で神々しく見上げたことがある。「脱構築(だつこうちく)」という言葉、「差延(さえん)」という言葉をどこかで聞いた人は、みんな高橋先生のこの訳業の空気の中で息を吸っている。この訳語に対してその後、異を唱える人もたくさんいたが、それもこれも(いい意味でも悪い意味でも)デリダ=高橋「現象」の中でのことにすぎない。 熱気あるふれる早稲田でのデリダ 新しい思想の発見という仕事は、いつも後からしかわからないという意味で、1970年の孤独な仕事(訳業)が...
私が、デリダの論文を最初に読んだのは、『竪坑とピラミッド』というヘーゲルの記号論を論じた論文。1973年『現代思想』創刊号(青土社)に収められていた(私は当時19才)。その時の私には、デリダよりもこの青土社の『現代思想』(http://www.seidosha.co.jp/genre/siso.html)の方が衝撃的だった。 当時、私が読んでいた思想誌は、岩波の『思想』(http://www.iwanami.co.jp/shiso/)、理想社の『理想』(http://www.washin.co.jp/honya/home/s_infos/650.html)、情況出版の『情況』(http://www.arsvi.com/0m/j.htm)、筑摩書房の『展望』(http://www.chikumashobo.co.jp/company.html)あたりだったが、この青土社の『現代思想』は、すで...
デリダは1983年に初来日し、 10月24日:東京日仏会館『バベルの塔』 10月26日:早稲田大学文学部『私の立場』、東京日仏学院『掟の門前』 10月27日:東京大学文学部『大学の瞳=被後見人』 10月28日:福岡日仏学院『掟の門前』 10月29日〜11月1日:京都日仏学院『時間を与える』 11月2日:東北大学文学部『哲学を教えること』 と精力的に講演をし続けた。私がデリダに高橋先生と一緒に同行したのは、東京日仏会館(24日、26日)、東大(27日)、京都日仏学院(29日〜11月1日)の三箇所(もちろん母校の26日早稲田を入れれば四箇所)だったが、以下はその10月26日の早稲田大学においての質疑応答の私の質問部分に彼がこたえた部分です。その質問会場になった、人だかりの熱気あふれる早稲田大学文学部2階の会議室の風景写真を添付します。 芦田:あなたは、ヘーゲルの記号論でのル-プレザンタシオン〔...
「絶対に貸さない」(http://www.ashida.info/blog/2004/06/hamaenco_4_56.html)という記事を書いたら、「何冊くらい本をお持ちですか」とメールが来ました。そんな“秘密中の秘密”には答えません(私は自分の本をすべて50音順に公開する立花隆ほどバカではありません)。あたりさわりのない全集、講座ものだけに絞って“公開”しておきます。中学3年の時に出会った『フロイト著作集』(人文書院)以来、最近の『丸山真男集』(岩波書店)までのすべてです(まだ見落としているかもしれませんが、ドイツ語やフランス語を打ち込むのは面倒くさいので外国語文献はすべて省いてあります)。なお全巻を有しているものだけに限っています(かつ、自腹で買ったもの)。...
金曜日(4月18日)は、家内を病院に見舞った後(http://www.ashida.info/jboard/read.cgi?num=145.124.11)、八王子にある大学セミナーハウス(http://www.seminarhouse.or.jp/)に行って来た。東京工科専門学校のFMC(フレッシュマンキャンプ)が今年は「大学セミナーハウス」で行われたからだ(昨年は代々木にあるオリンピック記念青少年センターだった)。毎年、新入生を対象に1泊二日の研修を行う。名実共にこのフレッシュマン研修で新入生はわが学園の学生になる。 このセミナーハウスには、おおよそ25年ぶりになる。感慨深い。早稲田の大学院修士時代 川原栄峰ゼミ(http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_result_book.cgi/3aefc10412c880103cc4?aid=&ky...
1年前の今日24日は、大雪が降っていたのを思い出す。というのも、その大雪の日が、恩師・永坂田津子(http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_result_book.cgi/3aefc10412c880103cc4?aid=&kywd=%B1%CA%BA%E4%C5%C4%C4%C5%BB%D2&ti=&ol=&au=&pb=&pby=&pbrg=2&isbn=&age=&idx=2&gu=&st=&srch=11&s1=za&dp=&kywdflag=0)の密葬の日だったからだ。もう1年が経ってしまった。...
今から、お通夜に行って来ます。なぜか、私だけの「お別れの言葉」でお通夜を終わるそうです。青土社の社長が急遽出られなくなったということで、大任を仰せつかりました。でもどうしましょう。とりあえず、原稿は書きましたが、書きながら涙が出てきて止まりませんでした。家内にその涙を隠すのが大変で。無事読み上げられるか心配です。...
私の学部時代の恩師、永坂田津子(http://www.bk1.co.jp/cgi-bin/srch/srch_result_book.cgi/3983089f2aaf30100b91?aid=&srch=2&st=&ti=&au=&ol=%B1%CA%BA%E4%C5%C4%C4%C5%BB%D2&pb=&pby=&pbrg=2&isbn=&age=&idx=2&gu=&s1=&dp=10)が昨日15:58分死去しました。67歳でした。自宅23時前に帰ってから今連絡がありました。ショックです。...